レビュー

【映画評・「あの頃。」】ネタバレ有。「今が一番楽しい」そう思えるのもあの頃の思い出があったから。

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市原 伝

長崎の美食ブロガー&ライター。 食レポ多めにブログ運営しております! 有名店に、まだ知らない美味しいお店に、テイクアウトに紹介していきます! たまに神道ネタ、映画や漫画、本のレビュー記事も書きますよ。 Twitter、Instagramもやっていますので是非フォローお願いします!

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WordPressブログ、「ディーンイチハラ浪漫譚」初の映画評ブログになります。
現在公開中の「あの頃。」について書きたいと思います。

キャッチコピーは「”推し”に出会って”仲間”が出来た。」です。

大人が送る青春映画、アイドルオタクではなくても人生を振り返ってバカなことした時代もあったな。
でも、その頃があったから今があるんだな、としみじみ思わせてくれる映画でした。

作品情報

タイトル:あの頃。
出演:松坂桃李/仲野太賀/山中 崇/若葉竜也/芹澤興人/コカドケンタロウ(ロッチ)他
製作年度:2020年
上映時間:117分
製作国:日本
監督:今泉力哉
原作:劔樹人
脚本:冨永昌敬
配給:ファントム・フィルム

「愛がなんだ」という映画が評判の監督、今泉力哉監督の作品です。
原作者、剱樹人さんの自伝的小説が原作となっている映画です。

あらすじ

日々バイトとバンド活動にいそしみ、うだつの上がらない日々を送る主人公、剱樹人(松坂桃李)
ある日友人の佐伯(木口健太)からもらった松浦亜弥の「♡桃色片思い♡」のDVD。
何事にも一生懸命なアイドルの姿に涙を流してしまう剱樹人。
思わずそのまま自転車を漕ぎCDショップに向かうのであった。
そのショップで店員ナカウチ(芹澤興人)からハロプロファンのトークイベントに誘われる。
そしてライブハウス白鯨で行われるイベントに参加したことで同じハロプロファンの個性的な仲間と出会うのであった。

「今が一番楽しい」(以降、ネタバレを含みます)

起承転結で表すならば

  • 起:ハロオタとなる…剱樹人がハロオタになり仲間と出会うまで
  • 承:懐かしい日々…定期的にトークイベント行ったり、ライブ見たりという仲間と過ごした日々
  • 転:月日が流れ…剱は東京に行き、それぞれの仲間にもハロプロよりも大切なことが出来ていく。そんな中…
  • 結:コズミンの闘病…コズミン(仲野大賀)に癌発覚、転移もしているが生前葬を行う。そしてフィナーレ。

以上のような流れかと思います。

起:ハロオタとなる

まずは「起:ハロオタとなる」です。
時代は2004年。
既にモー娘。は大活躍しているし松浦亜弥もデビューしています。

日々、バイトとバンド活動にいそしむ主人公の剱樹人。
バンド活動にはやる気を見いだせずメンバーからも怒られています。
ここで流れる「サルビアの花」がすごく哀愁漂います。

そんな中、同じアパートの住民の佐伯から松浦亜弥の「♡桃色片思い♡」のDVDをもらいます。
弁当を食べながらそのDVDを見る剱。

純真無垢な松浦亜弥の姿に感動して箸を止めます。
そして、音量を上げ、涙を流します。

ここがターニングポイントとなります。

伝さん
すごく丁寧に描いているなと感じました。

そう、この導入部分にすごく時間をかけているのです。
おそらく、剱がハロオタとなることを丁寧に描くことで、その後の行動に説得持たせているのかなと感じました。

その後は「あらすじ」にも書いたとおりです。

自転車で急いでCDショップに行ってハロプロコーナーを見入ります。
そして、そのCDショップ店員のナカウチからイベントのチラシをもらいます。
そこからライブハウス白鯨でのイベントに参加して、打ち上げにも参加。
リーダー格のロビ(山中崇)から「自分、あややファンちゃう?」と声をかけらる。

ハロオタグループに加入して楽しい日々を送ることになります。

承:懐かしい日々

「今が一番楽しい」

  • 大学の学園祭に出演しハロプロの歴史をトーク展開し、最後はオタ芸で閉める。
  • イトウ(コカドケンタロウ)の家に集まっては推しの話などに花を咲かせる。
  • 白鯨でのトークライブもいつも通り。
  • 銭湯で語り合う。(ロビが自分のおならを食べるという芸も見られます(笑))
  • 新メンバーのアール(大下ヒロト)が加入する。
  • アールの彼女のストーカーと一悶着ある。
  • ストーカーとその姉から恋愛研究会。の悪評を流される
  • その一件でプライドの高いコズミンが狼狽する
  • コズミンがアールの彼女と浮気をしてしまう。
    その一連の流れをライブで暴露され公開謝罪が行われる。

といった楽しい(?)、懐かしい日々がやってきます。

転:月日が流れ

ナカウチは東京に行ってしまいます。
そして、ナカウチから誘われて剱も東京に行くことになります。
(その間で石川梨華の卒業コンサートが挟まります。
西田尚美さん演じる高校教師の馬場さんからチケットを買った剱は馬場さんと一緒にライブを見ます。
ライブ後の会話で「卒業ってすごくいいですね」という会話を行います。
この会話が剱の東京進出のきっかけの1つにもなったのかなと感じました。)

他の恋愛研究会。のメンバーもそれぞれがハロオタ活動以外の大切な物を見つけ、それぞれがそれぞれの歩みを選びます。
(ハロオタ活動以外が見えないメンバーもいますが…)

しかし、相変わらず変わらないのがコズミンです。
ハロプロ以外にも2次元にはまったりという姿を相変わらず見せています。

結:コズミンの闘病

しかし、そんな中、コズミンが肺がんに冒されていることがわかります。

入院に向かうコズミンですが、その足でピンサロに行ったりと変わらぬコズミン。
「抗がん剤めっちゃ高いわ-」と変わらぬケチっぷりを見せるコズミン。

はっきり行って最後の方は松坂桃李演じる剱樹人よりも仲野大賀演じるコズミンの方が主役かと思わせるくらい勢いのある演技を見られます。

肺がんだけでなく脳への転移も見られたコズミン。
闘病中でも接し方が変わらない「恋愛研究会。」のメンバーたち。
「生前葬」と題し、いつもの白鯨でみんなでトークライブを行います。

相変わらず手の器用な西野(若葉竜也)

そして、この映画最大の見せ場、原曲キーで歌う「恋ING」の大合唱のシーンがやってきます。

感極まって泣いてしまう剱。
そんな剱にコズミンは話します。

「めっちゃ楽しかったな」

この辺りは感動しますよ。

伝さん
ちなみに「恋ING」は「こいあいえぬじー」と読むそうです。

危篤状態のツイートはものすごくバズります。

一時は復活するコズミンですが、結局は闘病の甲斐なく旅だってしまいます。

ラストシーンの1つ手前、大阪の橋の上で剱とコズミンが再会します。
「まだ会いに行くには時間かかるけど今が楽しいよ」
「コズミンが好きになりそうなハロプロのグループあるよ」
といった会話があり、そしてラストシーン

病床に戻りますが、ここで流れる「恋ING」がまた秀逸でした。

「20年後の未来からやってきた自分」は一体何だったのか!?

1つだけファンタジーな流れがありました。
松浦亜弥のライブに行った剱樹人。
本来は後輩の靖子(中田青渚)が隣に座るはずでしたが、急病により欠席。
1人で見に来ることになりました。
チケットは2枚手元にあるのになぜか隣に見知らぬおじさんが座ります。
不審に思った剱樹人尋ねます。
するとそのおじさんは答えます。

「僕は君の20年後の姿だよ。
君はそのままで良い。
今を楽しむんだ。」

と言われます。

おそらく、毎日が楽しいけれども気になる後輩からは約束を反故にされ、少し生き方に不安を覚えていた時期だったのだと思います。
この後、「恋愛研究会。」と言う名前でいつものハロオタメンバーでバンドをすることになります。

このファンタジー要素は幻だったのか、現実だったのかわかりませんが、おそらく剱樹人の迷いを表したのかなと思いました。

10代は可愛い、20代は超可愛い、30代は超超可愛い

そう、元モーニング娘。「道重さゆみ」の有名な言葉です。

ラストシーンの1つ手前でも同じ台詞が出てきます。

剱樹人の座右の銘「今が一番楽しい。」
これに通じる言葉だと思います。

「今が一番楽しい」という言葉は何度か劇中に出てきます。

きっと、誰もがこのようなことを考えるかと思います。

  • 「昔あんなことがあったね」
  • 「あんなバカみたいなことしてたな」
  • 「すごい大恋愛してきたな」
  • 「楽しかったな」

でも…、今が一番楽しいんだ!!

そう思える人生を歩んでいきたいと思います。

今は過去の自分の積み重ね。
あの頃があったから今の自分がある。
たまに懐かしく振り返ることもあるけれど、それでも今を一番楽しんで生きていきたい。

そう思わせてくれる映画でした。

きっと、形は違っても誰もが同じような経験があると思います。
その経験や思い出は自分自身の血肉となって生きていると思います。
だから、それらの経験や思い出を糧に今を楽しく精一杯生きていきましょう!!

こんな人にお勧め!!

  • 忘れられない楽しい思い出がある。
  • それでも今を楽しく生きたい

こういう経験や思いを持っている方におすすめです。

 

 

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